中井設計8/24

日頃よりお世話になっております。

中井設計です。

この度はご来場いただきありがとうございます。

今回の演目は長い間考えてきたことを具現化した新しいものです。


前回のあらすじ『中井設計展』をまずご参照いただき、読み進めて頂けますと幸いです。


『中井設計展』では、曲の装飾を省き構造を露わにする方法として、和音の出ない楽器のみで作編曲する『弦が一本ファンク』を思いついたところから中井設計は始まったと述べました。


クラシックを嫌々ながら嗜んでた私にとってGLAYをはじめとするバンドサウンドとの出会いは音楽を楽しいものへと昇華させてくれましたが、同時に生まれた「なんとなく作りたいものが朧げにイメージとしてあるが言葉にできないし形にもできないモヤモヤ」の核心にはまだ触れられずにいました。それが世に既出のものであればそれを参照すれば良いので人生は鮮やかなのですが、いつまで経ってもそのロールモデルとなる存在が見つかりません。音楽とはなんなのか私はそれに何を期待しているのかを果てしなく問い続けています。


いつからか人と料理を作ったり振る舞ったりするようになりましたが、特に自分で作る料理は「美味い」。というかこの納得感を生活の至る所で感じながら生きていけたら私は充分だなと思うようになりました。その充実感の正体はなんでしょうか。ここでその理由を「プロセスに愛着を持っているから」と仮定しましょう。建築家って自身の作品について「経緯」を語るじゃないですか。タテモノは竣工後人の手に渡りますが、プロセスは自分のものなんですよね。キッチンで調理しているのを見ているだけでもやがて食べるその料理を特別なものに感じませんか。そして自分で作った料理を親しい人たちと美味しいねと言いながら食べるのって幸せ感じちゃいますよね。


敬愛する音楽家RICHIE KOTZENがソロ作品のほとんどですべての楽器や歌を自身で演奏しレコーディングしていることに、中学生の私はそんなことってあっていいのかと世界の広さを知った覚えがあります。それぞれの演奏も素晴らしいし、なおかつ彼は顔も男前で脚も長いし、少々性格が悪いらしいですがそういうところも最高に好きで私はRICHIE KOTZENで音楽感を養ったようなものなのですが(GLAY以後)、全部自分でやるなんて私には絶対できないと諦めていたのです。でもそんなことができたらどんなにいいだろうと思っていました。新しい楽器を習得するってめっちゃハードル高く感じますよね。


音楽的にハマる型を探していた頃は古今東西の音楽を広く蔦屋で借りてみて、やっぱりギターロックバンドの音楽が一番好きだなとの結論に至りました。でもみんながやっているじゃないですか。私にはもっと他にやることがある気がすると言って結局ハマれる型は見つかりませんでした。でも自分が何かやるならバンドサウンドにこだわりたい。おもちゃみたいな楽器を人間が演奏して作る音楽ってとってもロマンティックだと思うのです。


バンドサウンドが好きだと確信した私はバンド中井設計をスタートしました。弦が一本ファンクのデモを作ると、ありがたいことに一緒に演奏したいと言ってくれる仲間が集まってくれました。バンドで合奏するのは快楽的な楽しさがあるため、特にビジネス的な達成目標がなくたってみんなで集まって曲を練ったり練習したりすることで充実した時間を過ごすことができます。みんなギターを手にとってバンドをやるべきです。私の作った曲をみんなで演奏するなんて素晴らしい日々です。しかしそれは確なのですが、私は人との協働では「朧げなイメージ」の実現はできないなとなんとなく感じていました。自分の血ではないものが入ってきてしまう、と感じてしまったのです。自分100%のものが作りたいんだということがバンド活動を通してわかってきました。私の中のミストが中井の密度が重要だと囁いてきます。


やがて一人でステージに立つようになってからもバンドサウンドにこだわったため、あらかじめ録音したオケを使ってパフォーマンスをしてみました。弾き語りかオケかアカペラか、色々試してみたのですがオケを使うと割り切った方が試せることが多かったのです。ただ複数人のバンドで音楽を奏でた時の音の豊かさや即興感を知ってしまっているため、バンドもいいよなぁと煮え切らない思いもありました。それに対抗すべく、ただ演奏するだけでなく一つのステージとしてシナリオ、演出をキチンと入れることを心掛けてパフォーマンスを仕掛けたところ、やがて中井設計のステージにはそういった演出やアイデアを期待しているという声が増えてきました。


ライブで私たちは聴く聴かせる、観る観られるだけでなく、空間をを共有しています。ライブの本質が空間であるならば、そこで共有されるのは歌や演奏、ダンスなどのパフォーマンスに限る必要はないはずです。 そこで私は演奏だけでなく、音楽が生まれるプロセスを共有してみたいと思いました。


上記のようにアレヤコレヤと考えを巡らせた結果、私のステージを作り上げる際に満たしたい条件が以下のように出てきました。


・バンドサウンドにこだわりたい

・中井100%がいい

・プロセスを共有したい


以上を成立させるには生でRICHIE KOTZENをやるしかないではありませんか。


長くなってしまいました。

それでは、新しい中井設計をお楽しみください。

 

令和元年

中井設計